「論語 総ルビ」
論語は、「子曰(しいわく)」でおなじみの、孔子やその弟子の言葉を記録した書物です。
孔子は今から2500年前、中国の春秋時代、紀元前6世紀頃の人で、四聖人の一人とされます。
礼儀を重んじる「礼」と他人を思いやる「仁」を柱とする儒教を作りました。
論語は儒教の経典であり、朱子学における四書の一つです。
全20篇あり、約5百の短文・長文の章から成ります。
どの章も簡潔な記述で含蓄に富み、中国の歴史上、最もよく読まれた本とされます。
日本には仏教より早い5世紀頃伝わり、教養として広く読まれました。
江戸時代には朱子学が幕府によって採用され、武士を中心に盛んに学ばれました。
明治になってからも道徳や倫理の古典とされ、「日本資本主義の父」渋沢栄一は論語を人生の指針と述べています。
論語は中国の古文ですが、日本では翻訳ではなく、漢字が日中共通であったことを生かし、
漢字だけの文章(白文)に訓点を書き加えることで日本語として読む、漢文訓読が行われました。
当時の中国の知識を読み解いた努力の歴史であり、そうして読まれた論語は、今の日本語や考え方の中に溶け込んでいます。
論語全20篇の訓読文を、1冊の電子書籍にしました。
総ルビなので、返り点通りに漢字をたどれば、書き下し文が読めます。
表示レベルを、ルビ、訓点、句読点、白文、とダイナミックに切り替えられます。
ルビの助けが要らなくなったら、訓点だけで、そしていつかは白文で。
武士の子が素読するイメージで、ぜひ、声に出して読んでみましょう。
漢文調の言い回しの格好よさを味わってください。
尚、章句の分け方、読み方は本によって違うことがあります。
本書は下村湖人の書き下し文に合わせました。
また、リフロー型電子書籍であり、漢文組版の美しさは御容赦下さい。
書下し文は、下村湖人の「論語物語」初版の附録にあります。
章句の意味は、下村湖人の「現代訳論語」をどうぞ。
もっと知りたくなったら、膨大な先人の積み重ねがあります。
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*季氏第十六、九*
孔子曰生而知之者上也學而知之者次也困而學之又其次也困而不學民斯爲下矣
孔子曰、生而知之者、上也。學而知之者、次也。困而學之、又其次也。困而不學、民斯爲下矣。
孔子曰ク、生レナガラニシテ之ヲ知ル者ハ、上也。學ビテ之ヲ知ル者ハ、次也。困ミテ之ヲ學ブハ、又其ノ次也。困ミテ學バザルハ、民斯ヲ下ト爲スト。
孔子(こうし)曰(いは)く、生(うま)れながらにして之(これ)を知(し)る者(もの)は、上(じやう)なり。學(まな)びて之(これ)を知(し)る者(もの)は、次(つぎ)なり。困(くるし)みて之(これ)を學(まな)ぶは、又(また)其(そ)の次(つぎ)なり。困(くるし)みて學(まな)ばざるは、民(たみ)斯(これ)を下(げ)と爲(な)すと。
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*目次*
├學而(がくじ)第一
├爲政(ゐせい)第二
├八佾(はちいつ)第三
├里仁(りじん)第四
├公冶長(こうやちやう)第五
├雍也(ようや)第六
├述而(じゆつじ)第七
├泰伯(たいはく)第八
├子罕(しかん)第九
├鄕黨(きやうたう)第十
├先進(せんしん)第十一
├顏淵(がんえん)第十二
├子路(しろ)第十三
├憲問(けんもん)第十四
├衞靈公(ゑいれいこう)第十五
├季氏(きし)第十六
├陽貨(やうくわ)第十七
├微子(びし)第十八
├子張(しちやう)第十九
├堯曰(げうゑつ)第二十
└底本などに関する情報